雷獣
「とりあえずこっちに座りませんか?」
そういう夏惟の手にはマグカップを持っていた。
3人掛けソファーに誘導されたけど私は”自分の席”に座った。
「ここ、まだ私の席?」
皆に聞くと驚いた顔をしながらも岳人がおう。と答えてくれた。
”自分の席”とは入口に一番近い1人掛けのソファ。
左右には3人掛けのソファーに風翔と夏惟そして岳人。
真正面には2人掛けのソファーに拓哉が座っている。
私はここならみんなの顔がみれるから好きだった。
「はい。」
夏惟から渡された飲み物は”ホットミルク”。
「ふふっ。ありがと夏惟.......先輩」
さて......、
「えっと、どこから話した方がいいかな?」
「順序とか気にしなくていいよ。好きなように話して?」
拓哉が私をまっすぐに見ながら言ってくれる。
「私は一部の記憶を思い出しました.....
拓哉達は”雷獣”と言う暴走族だという事。
4人はそのトップだという事。
そしてここは雷獣の倉庫で私の”居場所”があったという事。」
一呼吸おいて話を続ける。
「そして槇口に面識がある事。
そして車で連れ去られた事。
そこで......犯されそうになった事。
でも、拓哉達が来てくれて事。
洸希が助けてくれた事。
思い出したよ。」