雷獣
「俺達といるのつらい?......」
沈黙のあと拓哉が遥香に聞く。
「まだそんな実感というか、今は急に思い出した記憶の整理でいっぱい、いっぱいかな....。」
苦笑いをして答える遥香。
「そ.....か....。」
どうしたらいいか戸惑う4人。
「今、率直に思うのは4人と一緒に居られて嬉しいって事かな。
あとは......、みんなの事、呼び捨てで呼んでもいいかな?
記憶がもどってなんか”先輩”呼びするのがもどかしくて......」
「全然いいよ!むしろそう呼んでよ‼」
キラキラした目で嬉しそうに言ってくれる風翔。
「ありがと。じゃ、私は帰ろうかな?ほんとはもっといろんな話したいけど
とりあえずは試験終わってからでもいいかな?」
「もちろん、俺達も勉強しなきゃだし送るよ。」
「ありがとう拓哉、じゃ皆また明日ね!」
そう言い幹部室を出る遥香ドアを開けて目にした光景は下っ端君達が全員黒髪だったこと。
雷獣の事を思い出したということは下っ端君達の事も思い出したということで
遥香の記憶の下っ端君達はカラフルな髪色だったのに
全員が黒髪なので思わずみんなから背中を向け必死に笑い終えを押し殺していた。
その様子を下からみた下っ端君達からしたらまるで恐怖で怯えていて肩を震わせているものだと思いおどおどする皆だった。