雷獣
隣にいる拓哉が遥香の顔を覗き込んで心配そうに声をかける。
「はる?大丈夫??下にいるやつらも俺の仲間だからはるに怖い思いはさせないからそんなに怯えなくて大丈夫だよ?」
そっと遥香の背中に手をのせ落ち着かせるようになでる拓哉。
「.......っふ、違うの、、、みんな黒髪なのが可笑しくて笑ってるだけ......ふふっ」
「え?」
「なんでみんな黒髪なの??なんかの罰ゲーム??」
まだクスクスと笑いながら下にいる下っ端君達に聞く遥香。
「遥香さんが俺達を見て怖がらせないようにってみんなで染めたんすよ!」
「私の為?」
遥香が聞くとみんなが頷く。
「そっか、、、」
そう言いながら階段を下りる遥香。
下っ端君達の前に来て
「私を怖がらせないようにってみんなの個性を消してしまってごめんなさい。
でも、ありがとう。」
頭を下げえお礼を言う遥香にわたわたする下っ端君達。
「い、いや頭なんて下げないでさい!俺達がしたくてやったことなんすから‼」
「それでもありがとう、でも........」
「でも?」
「みんなの事も思い出したから」
にこっと笑って言う遥香に嬉しそうにする下っ端君達
「まじっすか!?」
「全部じゃないけどみんなが仲間想いでいい奴らってことはね?」
マジマジと言いながら答える。
「だから面倒じゃなかったらまたみんなの個性あふれるカラーにしてよ、似合ってたし、私は好きだったよ?」
「じ、じゃあぼちぼち戻します」
少し照れながら答えてくれた。