雷獣
「俺と?」
うんうんと頷く遥香。
「じゃあ、近くに海に向かいますね。」
車を発進させる洸希
それを見守る拓哉。
「それでなんで海なんすか?季節じゃないし風、寒いと思うけど.....。」
「洸希さんと2人で話、したかったから場所はどこでもよかったんですけど見晴らしのいいところが洸希さんにとってはいいかなって。」
「あー、なるほど.....。」
洸希にはある疑問があった。
2人で話したいのなら別に家の駐車場でもよかったはず
なんでわざわざ海を選んだんだ?
そのまま無言のまま走ること15分
「着きました。」
「わ~夕日が綺麗。」
遥香がはしゃぎながら車を降りる。
洸希も車から降り、煙草を吸いながら遥香に聞く。
「んで、話ってなんすか?」
「あの時のお礼を改めて言いたくて」
「あの時?」
「そう、洸希が駆けつけてくれてほんとにホッとしたの」
「え、もしかして!?」
洸希が目を丸くしながら遥香に聞く。
「うん、思い出した。」
夕日を見ながら答える遥香。
「まだあの時の思い出だけなんだけど、でも洸希の事も叶葉さんの事も思い出した。少しだけどね、だからまた洸希って呼んでもいいかな?」
「もちろん。」