雷獣
「そのタオルで目を冷やしときな、遥香の事だからテストは受けるつもりなんだろ?」
「うん、これ以上拓哉達に心配かけてくないしテストも受けなきゃ。」
洸希にもらった缶で目を冷やす。
「はぁーー-........。」
「仕方ないな、しばらくドライブしてやるよ少し寝な。」
「ありがとう。勉強しなきゃいけないから30分経ったら起こして。」
「あいよ。」
窓に寄りかかりながら目をつぶり洸希がくれたタオルを目に乗せた。
音楽も何にもかかってない静かな車内が今の遥香には居心地よかった。
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5分もすれば隣から寝息が聞こえてきた。
記憶の混雑や試験前の勉強の寝不足、泣き疲れなど重なってすぐに寝れたんだろう。
遥香が記憶を取り戻した以上、さっさと槇口とは蹴りをつけなきゃいけない。
拓哉さんの事だ、すぐに動くだろう。
遥香の事は妹みたいに思ってるし加勢が必要なら喜んで行こうと決意した洸希だった。
「遥香、遥香ついたぞ。」
「.......ん。ついた?どこに?」
「お前の家。ほら、勉強すんだろ??」
「.........っは、そうだった!!洸希ありがとう。」
「おう。じゃまた明日な。」