雷獣

ガチャ。
「ただいまぁ」

誰もいない部屋に声をかける。
そのままソファーになだれこむ。

今日は濃い1日だった。
そっか、わたしはみんなに守ってもらってたのか
だから遠藤先輩は私に”お姫さん”って言ったのか....。

「また忘れないうちにメモしておこう。」
寝室から思い出した記憶の走り書きノートにまた書き記した。

”私は暴走族雷獣のメンバーであり姫として守ってもらっていた。”
”皆の事は呼び捨てで呼ぶ仲である”
”洸希はいい兄ちゃん的人。”
”槇口は敵” ”私は攫われたが雷獣のおかげで未遂。”


自分で書いていてまたあの感触を思い出して両腕をさする。

でも結局、遠藤先輩が言っていた“紫虎”については思い出せなかった。

”槇口は紫虎のメンバー?”
それなら遠藤先輩にも気をつけなきゃ。
あの2人がつながっているなら警戒すべきことだもんね。

ノートを閉じてため息をつく。
考えることいっぱいだけどまずは試験‼
それが無事に終わったらゆっくり拓哉達に話を聞こう。

決意をしてから遥香はまた勉強に励んだ。
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