雷獣
「んじゃ、テストは預かったから結果は後日みんなに返す時に期末テストに点数付けてミニテストも返すから」

「わかりました。」

「気を付けて帰れよ~」
そう言い先生は一足先に指導室を後にした。

ブブッ
マナーモードにしたスマホが鳴る。
拓哉からだ

「テストは無事に終わったかな?」

荷物を持ち返事を打ちながら指導室を出る。
下駄箱に向かおうとすると後ろから呼ばれた。

「”お姫さん”。」
聞き覚えのある声。
振り返ってみれば遠藤先輩がいた。

「お姫さん、記憶思い出したんだって?」
にやにやしながら聞いてくる。

「はい、先輩の事はまだ思い出せてないですけど思い出さなくってもいいって思ってました。」

「それは寂しいなぁ」
言葉とは裏腹に全然寂しそうじゃない顔。

「前に言いましたよね、拓哉達を信じすぎない方がいい。それは何でですか?」

「え?言っていいの?大丈夫?フラッシュバックなんてしない?」

「.....大丈夫ですよ、ご心配なく。」
そういったはいいものの正直自信はなかった。
ドキドキしながら話を聞く。

「へぇー、じゃあ話すけど。あいつらを信じすぎるなって言ったのは女1人すら守れないへっぽこ連中だからだよ。」

「なに?どうゆうことですか?」
ふつふつと怒りが湧いてくる。

「だってそうだろ?実際守れてねーじゃねーか、俺達紫虎の方が上って事痛いほど思い知っただろうなあいつら。」

鼻で笑う遠藤先輩。

「私が油断してたから、警戒してなかったからいつもなら誰かが私の傍に居てくれた。」
あれ?そうだっけ?
あの日はどうしていなかったの?

....。私のせいだ。私が学校に行くだけだからって洸希に車で送ってもらったの.....
そしたら学校に誰かがい...て。
誰がいたの??思い出せない...。
頭が痛い...。ガンガンする。思わずその場に座り込む。

「おいおい、勘弁してくれよ~」
遠藤先輩がため息をつきながら言う。
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