雷獣
「おい、姫さん。お前が大丈夫って言ったから話したんだけど?悠二さんにまだ揉めるなっていわれてんだけどなー。」
悠二?聞いたことあるような、ないような。
頭がかちわれそうなほど痛い。
「姫さん、迎えとかないの?」
「み....んな....さきに....いった....。」
「いや、姫さん1人では向かわせねーだろ。迎えとかないの?」
「.............」
頭が痛すぎて返事が出来ない。
「マジかよ~、お~い返事してくれよぉ~」
先輩が私の肩を叩きながら言ってくる。
「はぁ~、仕方ないな。」
そう言い私を抱き上げる遠藤先輩。
「い....や...。」
先輩の胸を押すが頭が痛くて力が入らす全然抵抗にならなかった。
「落とされたくなかったらいい子にしとけ」
そう言いスタスタ歩き始める先輩。
1度下ろされたのはバイク置き場。
拓哉へのLINEEの打ちかけの文字をみて
「お前の携帯からこの文完成させて送ってもいいけどお前んとこの頭に警戒されてっから話きいてくれなさそうだしなー」
バイクを準備しながら話を続ける。
「だからこのままお前を倉庫に届けることにしたから乗れ。」
そういいバイクの後ろを指さす。
「バイク......乗れない。」
「は?バイクの乗り方も忘れたのか?しゃーねーな。」
「わッ‼」
そう言うと私をひょいとバイクの後ろに乗せた。