雷獣
遠藤が何もせずに倉庫から出て行くのをみると遥香に声をかける。
「はる、頭痛って....。」
「.....う..ん。記憶の事で。頭痛薬あるかな?あと少し寝かせてほしい....。」
変わらずガンガンする頭。早く眠ってしまいたい。その思いが強くなる。
「分かった、とりあえず上に行こう歩ける??」
「ごめん無理、歩いて響く振動が耐えられなくて...。」
「じゃあ上に連れて行くよ?」
拓哉がそっと抱きかかえ階段を登っていく。
2階につき幹部室の隣の部屋を開けて中へと入る。
そこは遥香専用の部屋だった。
そっとベットの上に置かれ目を開ける遥香。
「ここは?」
幹部室じゃないとわかり拓哉に聞く。
「遥香専用の部屋。ここなら遮音性抜群だからゆっくり休めると思ったんだけど、
どうかな?」
「そ、うだったね。うん。ありがとう。ここで少し寝るね。」
「じゃあ薬あると思うから持ってくるね。」
部屋を出る拓哉。少し辺りを見渡せばインテリアとか小物とかが私好みで拓哉が言っていた事はホントなのかな?と少し実感がわいた。
これも私の記憶にはないけれど”場所”としてちゃんと残ってる思い出。
「お待たせ、はい薬。」
渡された薬を飲んでから横たわる遥香。
「俺は何時になっても大丈夫だから頭痛が良くなるまで遠慮しないで寝ててね。」
そっと布団をかけれくれる拓哉
「おやすみ。」と軽くおでこにキスをしてくれた。
それについて突っ込む気力もなく目を閉じ眠った。