雷獣

「到着ー。」
あっという間に家についちゃった。
拓哉が先に降りて手を差し伸べてくれている。
バイクから降りようと片足をまたいで降りようとしたときそっと拓哉に抱きしめられる。

ぎゅっと拓哉の体温が伝わる。
突然の事に私は棒立ち。心臓がドキドキしている。

「ふふっ。心臓の音早すぎでしょ。」
沈黙を破ったのは拓哉の緊張感ない一言だった。

「そんな急に抱きしめられたら誰でもそうだって//////」
まだ抱きしめ続ける拓哉にもういいでしょ!といい離れる。
なぜ抱きしめられたのか分からないけど、、、嫌じゃなかった。

「バイク止めてくるから中に入って待ってて。」
抱きしめたことに関しては何も言わずバイクを戻しに行く拓哉。

「なんなの.....。」
熱い顔を冷たい手で冷やす。
さいきん拓哉がおかしい。
スキンシップって度を超えてるけどおきらかに多いい。

私にとって拓哉って雷獣の総長だけじゃなかったの?
拓哉との関係性を思い出そうとするが思い出せない...。

「ごめん、お待たせ。」
拓哉がバイクを止めて戻ってきた。

エレベーターのボタンを押して待つ。
さっきの事について聞きたいけどなんて聞いたらいいの?
なんで抱きしめたのって??
聞くるわけない......。からかわれてるだけ?もうわけ分かんない。
エレベーターがきて無言で乗る。
3階について私が降りると一緒に降りてこようとするから止める。
けどさっきの事があったからか家の目の前まで送ると聞かないのでついてきてもらった。

ガチャ。
鍵を開けて中に入る。
「寒いからあったかくして寝てね、じゃおやすみ。」

「おやすみなさい。」
バタン。ドアを閉めて鍵を閉める。
扉から遠ざかっていく足音が聞こえた。
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