雷獣
「勝手に手柄とるなよ。」
「ちぇ。」
叶葉が口を尖らせふてくされる。
「え?」
って事は....
「洸希が?」
「おう。」
朝早くに女子に交じって整理券を取ってくれる姿を想像したら少し笑えた。
「洸希、ありがと。」
お礼を言うと洸希はにかっと笑った。
しばらくするとお店から店員さんが出てきて「こちらです」と案内をしてくれた。
席についてメニューを見る
「うーん、迷うね!!イチゴとベリーもいいけどナッツとメープルも捨てがたい‼
遥香ちゃんは決まった?」
「うーん、やっぱり王道のバナナチョコですかね?」
「王道もいいね!洸希は何にするの?」
「俺はホットコーヒーだけでいい。」
「え!?せっかく来たんだから食べなきゃ‼」
「嫌、甘いの嫌いだし。」
「んじゃ、甘いのじゃないやつにしたら?ほらこれなんかおいしそうだよ?」
そう叶葉さんが指さすのは”エッグベネディクト”確かにそれも美味しそう....
じっとメニューを見つめると2人が笑いだす。
「な、なんですか?」
「いや、すごく食べたそうにするなーって思って」
「へ?そんな顔してました??」
「仕方ねーな、それにして少し分けてやるよ」
クスクス笑う2人を見てよっぽど食べたそうに見ていたんだと恥ずかしくなった。