雷獣
カフェに入り注文した後、席に座る。
「俺、いったんこの荷物車に置いてくるわ流石に邪魔になるわ。」
そう言い洸希が席を立つ。両手にいっぱいの紙袋を持つ洸希を見て買いすぎたかなと少し反省をした。
「遥香ちゃんはさ、どこまで思い出したの?」
ホッとココアを飲みながら叶葉さんが聞いてくる。
「まだほんの断片的な事です。私が雷獣に居たことは分かったけどきっかけは分からないままです。なんでみんなと一緒にいるのとか....。」
「そっか....。私の事はどう?洸希から少しだけ思い出したって聞いて今日半ば無理やり連れだしちゃったんだけど.....、迷惑だったかな?」
「全然‼まだ叶葉さんとの思い出とかまだぼんやりしてるんですけど、今日1日一緒に居てすごく楽しかったです。」
曇りのない笑顔で言われホッとした叶葉。
「よかった~。いや連れ出したはいいけど内心迷惑だったかなとか思ってたんだ。」
「叶葉さんさえよかったらまた一緒に出掛けてくれませんか??」
「もちろんだよ‼私は遥香ちゃんの事妹だと思ってるから遠慮はしないで!」
「ありがとうございます///」
叶葉に”妹みたいに思っている”と言われ照れくさくなり顔が少し赤い遥香。
そんな遥香を見てニコニコする叶葉。
2人の間には穏やかな時間が流れていた。