雷獣
「うーん、寒いけど倉庫の中にいるならそんなに厚着じゃなくていいよね。」
そう思いながら着ていく服を決め拓哉にLINEEした。
今日はえんじ色の古着にからし色の膝下スカート。
ゴールドのピアスを付け軽くメイクする
コートは黒のチェスターコートに靴もそれに合わせてローヒールの靴にする。
飲み終わったカップをシンクに置いたところで拓哉から”着いた”と連絡が来たので下の駐車場に向かった。
「おはよう。」
車を運転していたのは洸希じゃなくて拓哉だった。
「おはよ、あれ洸希じゃないんだ」
「うん、用事があってね。」
「そうなんだ。」
いつもは洸希が運転で誰かと一緒に後ろに座るスタイルだからどうしたらいいのか迷ってると拓哉が運転席から降りて助手席のドアを開けてくれたのでそこに座ることにした。
「寒くない?」
「うん、大丈夫。」
いつもと違う状況でなんだか照れる
拓哉も運転席に座るとドアをバタンと閉める。
車内がシーンとする。
すると拓哉が突然抱きしめようと身を乗り出しきた
え!?今ここで私抱きしめられるの!?
身体をギュッと固くして固まっていると
「シートベルト、閉めなきゃね」
そう言い拓哉の右手にはシートベルトが....
抱きしめられるわけじゃなかった///
勘違いに顔に熱が集まる。
そのままカチッとシートベルトを止めてくれじゃ、出発するねと車が動き出した。