雷獣

「なるほどね、姫ちゃんの部屋なわけか.....んで鍵が閉まってた。
悠二さんビンゴ♪」
鼻歌を歌いながら部屋を物色する

「姫ちゃん、こんばんは～いるのは分かってるんだよ？人の気配するしね。さぁ～てどこに隠れてるのかな？」
そう言いながらベットの下、クローゼットを覗いて行くが遥香は居ない。

「ここに居ないならあとは1つだけ」
そうつぶやき中村は洗面台へ行く。

洗面台の扉を開けてわざと音が聞こえるように扉を大きく閉める。
バタン。

そしてお風呂のドアを開けゆっくりと浴槽のふたを開ける。
そこには体を小さく縮こまらせていた遥香がいた。

「み～つけた♪」

遥香の体がビクッと動く。
「姫ちゃん、そこから出てきてくれる？」

「...........嫌です。」

「それは困るな～悠二さんに姫ちゃん連れてこいって言われてるんだよねー」
くせっ毛な髪をくるくるしながら遥香に言う

「.............行きたくない。」

「まぁまぁ、俺が君に手を出す前にそこから出てくれない？？」
殺気を少し含めて遥香に言う

今まで誰にも殺気を向けられたことのない遥香は体がガタガタ震え始めた。
それを見て殺気を抑える中村。

この人から逃げるのは無理だと感じた遥香。
大人しく立ち上がる。

「そうそう、最初から言うこと聞いてねー。」
遥香の手をとりお風呂場から出て下に向かう
手も握られ大人しく言うことを聞くしかない遥香。