雷獣
悠二さんと言われる人が遠藤先輩に言われ周りを見渡す。
下っ端の中でまだ立ち上がる気力があったり軽傷なのは大半雷獣の下っ端だった。
紫虎の下っ端は倒れているものやかろうじて意識があるものが多かった。
力の差は一目瞭然だった。
その光景を見たあとまた仰向けになる悠二さん。
「日下部、もう戦う気はないよな?」
「あぁ。」
「お前ら紫虎は今日で解散しろ。二度と俺ら雷獣に近づくな。」
「分かった。」
その返事を聞くと日下部から離れこちらに歩いて来る拓哉。
私の姿を見ると柔らかく笑う拓哉。
「話したい事たくさんある、とりあえず帰ろっか?」
優しく笑う拓哉は私がいつも見ている拓哉だった。
「うん。」
「俺はまだやる事あるから先に洸希と倉庫で待ってて?」
「車の中で待ってちゃダメ?」
ちゃんと帰ってきてくれるか心配だった。
このまま倒れてしまいそうな拓哉が心配だった。
「分かった。じゃ、車の中で待ってて。」
少し眉を寄せた拓哉だったが了承してくれた。
大人しく車の中で待っているとしばらくして周りに数十台の車が止まった。
中から出てきたのは知らない人たちばかりだった。
私が忘れている人達??
その人たちにテキパキと指示を出している拓哉が車の中からでもわかる。