雷獣
「鍵はどうする?」
「閉めてここから入れておけばいいんじゃない?」
”ここ”は玄関口のポストいれだった。
「さすがにそのままじゃまずいだろ」
夏惟に言われて何か入れられるようなケースはないか部屋を探す。
リビングテーブルに小さな巾着が置いてありそれを借りることにした。
玄関のドアをそっと閉めてポストから巾着に入れた鍵を入れる。
「明日起きたら旅行の準備しないとな」
夏惟が拓哉の部屋に戻りながら言う
「あいつらが行ってきていいって、驚いたわ。」
「遥香の事もあるだろうけど多分、純粋にお前に楽しんできてもらいたいって気持ちが強いんじゃないか?じゃあ逆に先代がいた時言われ拓哉ならどう答えてた?」
「そりゃ、俺達のこと気にしないで行ってきて欲しい」
「だろ?それと一緒だよあまり悩むと"お前達じゃあ倉庫番は不安だ"って言ってるのと一緒なんだから任せた!って言えばいいんだよ」
「そっか、逆に先代に渋られたら俺だってそう思ってたかもな....」
拓哉の部屋に着くまでに納得させられた夏惟
遥香が楽しめるようなプランつくならきゃな