雷獣

皆が食べ終わったころ時刻は14：30を迎えていた。

「今日はこれからどうするの？」

「俺は先代と会ってくるかな」

「先代って拓哉達の前に総長してた人達？」
食器をキッチンに下げている夏惟に聞く遥香。

「そう、13代目ね」

「私って会ったことあるの？」
隣で携帯を弄っている拓哉に聞く。

「あーどうだっけなあの車にしたときに”和真さん”に会いに行ったけどはるは一緒に居たかな？」

「ふーん、そうなんだ。ねぇ、私も一緒に行きたいって言ったら迷惑？」
夏惟と拓哉が顔を見合わせる。
その雰囲気でなんとなく歓迎されていない事は伝わったので
「やっぱいいや、家で大人しくしてる～」と
迷惑にならないように、思いつきで言ってみただけです感を出して
携帯を弄っていたら

「いいよ、行く？」
と拓哉が聞いてきた。

「......。自分から言っておいて何だけど迷惑じゃない？」

「迷惑なんてことないよ、それに記憶の手掛かりになったら嬉しいから」

「そっか、迷惑じゃなきゃ行きたいな」

「おっけ、じゃあ準備しようか15：00には出たいかな」

「わかった、今日は外に出ないと思ってたから家にコートとか取りに帰るね」
そう言い拓哉の部屋を後にし自分の家に戻る遥香。