雷獣
遥香が行ってまた静けさが戻ってきた

コンコン。ガラガラ

「あら、また暗い空気ですよ」

そう言って小暮さんは俺達を励ましてくれた

「しょうがねーだろ。目は覚ましたけどよ俺達の事何も覚えてねーんだってよ。せっかく目が覚めたってゆーのにこんな事ってあるかよ。」

苦笑いしながら小暮さんが

「目が覚めたなら良かったじゃないですか記憶がないならこれからいくらでも作れるし行ったことある所なのにまた新鮮な気持ちで行けるなんて楽しみにが増えるじゃないですか」


「小暮さんにはわかりませんよ。大事な人に忘れられた気持ち。
ベラベラと理屈なんて並べないでください。」

小暮さんは悲しそうな顔をして
「ごめんなさい。看護師として軽はずみな発言だったわ。あなた達の事詳しく知らないのに口を挟みすぎた、ごめんなさい」


そう言い病室を出ていった。

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