雷獣
「お待たせ、じゃ戻ろうか?」
会計を終えた拓哉がまた車椅子を押しはじめた
「ありがとうございます。お会計いくらでしたか?」
「ん?いらないよそんなにしてないし
目覚め祝いってことで」
「ふふっ」
と優しい声で笑う遥香を見て目頭があつくなったが
ぐっとこらえて何がおかしいんだよーと返した
「だって、”目覚め祝い”って聞いたことないですよ?」
「いいのー」
そんな会話をしながら病室へ戻った。
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