雷獣


食事と荷物のまとめを済ませたところで祖父に電話をかけようと思ったが
携帯がないことに気がついた。

あれ?おいてきちゃったのかな?
まぁ、受付に聞けば教えてもらえるだろうし公衆電話でかければいいか。

そう思い受付に向かい番号を聞き電話をかけた。

「.......prrrr。.....はい。」
「あ、遥香です。今電話大丈夫ですか?」
「手短に頼む。」

あぁ、孫が目が覚めたのにこの人は心配の一言もないのか、
まぁ入院中数回しか来なかった人だし私には興味ないのは変わりないか。


「すみません、病棟を移動するので一度清算したいのですが手持ちがなくて...」

「分かった、お前の部屋にある金庫があるだろう。その中に通帳とキャッシュカードが入っている。
そこに振り込んでおくからそこから支払いなさい。番号は”0423”だ。」

その番号か、いつまで私に突きつける気だろう。

「わかりました。ありがとうござ「ツーツーツー」
ははっ、最後まで聞かないで普通は切らないでしょ。

言われた番号で金庫を開け通帳を見ると変わらずの
ゼロが8個ほど並ぶ通帳を見て
「これが手元にあるなら振り込まなくていいし....。」
と呟いた。

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