雷獣

病院内のATMで下ろしてから、受付で精算をすませて病室に戻ると
もう拓哉達が来ていた。

「先輩、早すぎませんか?」
そうクスクス笑う遥香を見て昨日の事は夢じゃなかったと実感する4人。

「学校行く前に遥香の顔を見ようと思ってきちゃった♪」
朝から迷惑だった?と風翔が聞いてくるので

「いえ、病棟移動する前でよかったです、でも先輩方遅刻じゃないですか?」

「いいの、いいの♪で、なに?部屋、移動するの?」

「はい、今日から本格的に退院に向けてリハビリするんで
リハビリ病棟に移らなきゃで」
これ、おおまかなスケジュールみたいですともらった紙を
夏惟に渡す。

「1ヵ月を目標にやっていくんですね」

「うわ、こんなに毎日やんのかよ、やってられねー」

と手を頭の後ろで組んで上を見上げる岳人。

「で、これから荷物もって移動です。」
と言い膝にできるだけ荷物を乗せる遥香。

「いや俺等がいるんだから荷物ぐらい頼めよ」
そうぶっきらぼうに言って荷物を持ち始める岳人
そうだよーと続けて言う風翔。

「....あ、ありがと。岳人」
少し照れくさそうにお礼を言う遥香におう。と返す

残りの荷物は夏惟が全部持っていて
じゃ、行こうかと車椅子を押してくれる拓哉

「B棟の3階で315号室みたいです。」
「おっけー」





< 51 / 288 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop