雷獣

「いや、購入はそうだけど飲む人が未成年なのはいけないと思いますが!!」

「まぁまぁまぁ、今日はパーティだし許して??」

さっきまでシュンとしてた風翔先輩がいつにまにか立ち直って私の方に腕をかけながら言ってきた。

「風翔先輩が飲んでるのはジュースですか?」

「いや、ピーチフィズ」

「?要するにお酒ですか??」

「そうだよー」

ニコニコしながらいう風翔先輩。

「....。もうほろ酔いだったりします?」

「んー、体はポカポカしてるくらい」

「夏惟先輩にお水もらってくださいね...」

風翔先輩が持ってたグラスを没収してキッチンに置きに行くと

「遥香も飲んでみたい?」

「え?」

カウンター越しに話しかけてきたのは夏惟先輩。

「俺、カクテル作れるよ?」

そう言いながらキッチンに入ってきた夏惟先輩。

そっちで座っててと言いながら勝手に食器棚からグラスとシェイカーを出し始めた。

「俺、barでバイトしてんだ」
わー、バーテンダーとか似合いすぎ...。

「よく拓哉の家で集まるから色々お酒は準備してるんだ」
お酒が入ってるからかいつも敬語の夏惟先輩が敬語じゃないのは新鮮。
たしかに拓哉先輩の家がbarなのかなって思うほどたくさんのお酒がある。

「これ全部、風翔先輩が?」
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