雷獣

「ふふっ。この光景がまた見れて嬉しいなって」
夏惟先輩がなにか言ったけど後ろで風翔先輩と岳人が飲み比べをしてるのか
はい、4杯目~どんどん飲んで~と拓哉先輩が煽っている。
おかげで何を言ってるか聞こえなかった。

「すみません、後ろが煩くてなんて言いましたか?
 てか、止めなくていいんですか?」

「拓哉が見てるんでしょ?大丈夫だよ。で、次は何飲む?」

夏惟先輩が作るのが上手なのか雰囲気にのまれているのか
あっという間に2杯目を飲み干した。

「携帯が壊れて新しい携帯になってから写真まだ1枚も撮ってなんです。
だから今日のこの光景最初の1枚にしたいなって。
なんで写真映えするカクテル作って”夏惟”」

お酒のせいもあるし、みんなが楽しそうでその空間にいれるだけでなんだか心がポカポカして私が”いつも”そう呼んでたみたいに
呼んでみた。

そしたら驚いた顔をして少しだんまりした後に嬉しそうな顔をしてまいったな。と言いながら
了解。って次のカクテルを作り始めてくれた。

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