雷獣
そんなみんなの表情を見て小暮さんは言った。
「皆さんがそんな顔をされてたなら遥香さんは目を覚ましたくても覚ませませんよ?」
「遥香さんはなんとか一命を取り留めたんです。また再スタートできるんですよ。やり直せるときにやらないとまた後悔しちゃいますよ?」
小暮さんは何故か泣きそうな顔をしながら俺たちに言ってきた。
みんな話を聞いて表情が変わった。
「そうですよね。俺達がこんなんじゃ起きてくれませんよね」
そう言った彼らの顔は何かを吹っ切れた表情だった。