雷獣
顔をまっっかにして慌てて帰っていく遥香。
「ふっ……ふふ」
流石にからかいすぎたかな
慌てすぎて帰ったせいかテーブルに遥香の携帯が忘れ物で置いてある。
俺が渡しに行っても面白いけど明日以降警戒されてもつまらないし、
そう思ってもう完全につぶれてる2人の介護をしてる拓哉に声を掛けた。
「これ、遥香の忘れ物。拓哉が届けてあげて」
「なんで?夏惟が気付いたんだから届けてあげなよ」
「いや、さっき少し意地悪しちゃって俺だと警戒されちゃうから」
そう拓哉に遥香の携帯を押しつけ後かたずけをする。
「警戒って...。なにしたんだよ」
苦笑いで聞く拓哉。
「一緒に泊まりたいっていうから安全は保障できないって言っただけ。
それに、本心じゃなくて酔ってるだけの勢いって感じがしたし。」
「.....。おい、それ俺含まれてないよな?」
「さぁ、なんていったか忘れた。いいから早く持って行ってあげなよ」
「その保証できないに俺の名前も入ってたら俺も警戒されるって言ってんだよ!」
嫌だよ、はるに嫌われたくない~とか言ってる拓哉を上着も着せないまま部屋から追い出す。
玄関でもまだ言ってないだろうなーとまだ聞いてくる拓哉を放置と決めて片付けを進めると玄関から出ていく音がした。