雷獣
「......マジで?」
バタン。と音を立てて閉まる玄関をしばらく見つめる。
はるが俺の事呼び捨てで呼んでくれた?
俺の聞き間違えじゃないよな?
寒さなんて忘れながら自分の家に戻った。
「ただいま。」
「おかえり、警戒されずに渡せた?」
クスクス笑う夏惟に
「俺、はるが記憶無くしてから初めてあの時みたいに呼んでくれた....。」
「あぁ、俺も呼ばれた」
「夏惟も!?」
「多分9割お酒のおかげだけどね、きっと」
「え?はるにお酒飲ませたの?」
「風翔のうらやましそうに見てたからつい昔みたいな感じで」
「大丈夫かな?」
「最後、”いつもの”飲んでたけど悪酔いった感じじゃなかったから多分明日は残らないと思う」
「それならいいけど。」
俺が携帯返している間に結構片づけてくれたみたいだ。
「風翔と岳人はこのまま床に寝かせてればいいよな?」
「まぁ、しばらく床で寝てないから明日から痛くても自業自得だろ。
部屋から布団出してくる、今日干しておいて正解だわ。」
どうせ飲んで潰れて俺の家で寝ることになると思ってはるの病院行く前に
泊まりようの布団干しておいたのをつぶてれ寝てる2人にかける。
「拓哉、そんなに飲んでないだろ?飲みなおすか?」
「いいね、じゃマルガリータで」
「はいよ」