初雪が降るころに・・・
序章
昔、あるところに『白の忌み子』と呼ばれ、蔑まれ、恐がられていた少女がいました。

その少女の両親は、少女を守り、庇ったがために、村の人間に殺されてしまいました。

両親を殺された少女は、泣き喚くことも、両親を殺した村の人間たちを責めるわけでもなく、ただ、両親の遺体を眺めていました。

その瞳に微かな涙を浮かべて・・・

その少女は他の子供と少し、違っただけでした。

ほんの少しだけ違っただけで、少女は家族を失い、そして、故郷を失いました。

そのときから、少女は『愛』が怖くなりました。

『愛』が少女には、わからなくなりました。

村を追われ、両親を亡くした少女に差し出された手・・・

それは・・・


救いの手か、




それとも・・・





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