初雪が降るころに・・・

お団子

雪乃視点

皐月が壊れていっているとき、私は何も知らずに沖田さんと甘味を食べていた。

「おいしいですねぇ」

「そうですね。」

ほわんとした笑顔で、とても幸せそうな沖田さん。



沖田さんって不思議。


私のセカイから沖田さんだけの色がある。

皐月のも一応あるけど、沖田さんの色ほど鮮やかじゃない。

……どうしてかな?

「あ、餡蜜も美味しそうですねぇ。

すみません!餡蜜、ください!」

「……まだ、食べるんですか?」

……沖田さんほど変人もいないかもしれない。

沖田さんはもう、お団子を10皿程度食べている。

そのうえ、餡蜜もって、どれだけ食べているのだろう……

うん、謎だ。

男の人にしては細いし……

どこにそんなに入るのかな?



そう、1人考え込んでいると…


「あぁぁぁぁぁぁ!!!!

総司ー!!!!!!」


大声だ……

耳がキーンってする。

「……なに?平助。」

「なに?じゃないから!!

こっちこそ、なに?!って聞きたいよね?!

って、誰?!」



……うるさい人……

「雪乃さん、大丈夫ですか?

こいつは藤堂 平助。

俺の仲間ですよ。」

藤堂…平助…


……なんだか、子供みたい。

だって、濃い茶色の髪。

そして、大きな目。

子供らしい顔立ちだ。

「あ、ちなみに平助、僕と同い年なんですよ?」

「え?いくつなんですか?」

「、ん〜、忘れましたけど、多分20は過ぎてたと思います。」


< 11 / 23 >

この作品をシェア

pagetop