初雪が降るころに・・・
青白い光が降り注ぐ中、私の目に映るのは、
「や、やめてくれ………」
ただ、震える男。
ところどころ、血が滲んでいる。
全て、私が、付けた傷。
私は、それをただ、無表情で見つめるだけ。
そして、おもむろに振り上げた刀を振りおろした。
それと同時に飛び散る紅い液体。
強い香り。
ただの事実として私の中に入ってくるのは、
『今日』も人を『殺した』
ということ。
私がやっていることは、皐月と一緒に先生に言われた人を『殺す』という行為。
ただ、命を刈るという、作業。
「……ごめんなさい」
ポツリと零れ落ちた言の葉。
これだけは、欠かさないこと。
もう、動かなくなったその『人』だったものに、謝る。
ただ、それだけの行為。
………なにを、やってるのだろう…私は…
こんなところで、人を殺して。
こんなことをしている私なんて……
ヒツヨウナノカナ
「ッッ………」
息が詰まる。
微かに視界が滲む。
こんなときに、なぜか私は、
「お……きた……さ………」
あの、赤朽葉色の髪の人に会いたくなっていた。