初雪が降るころに・・・
男が喚き続ける。
くだらない。
私が何をしたの?
生きていることがいけないの?
「雪乃さん…?」
「ッ!」
嫌だ…
こんな私、見られたくないッ!!
「ッ!雪乃さん!!!」
気がつくと走り出していて。
後ろから沖田さんが呼ぶ声が聞こえる。
それでも、私は、走り続けた。
どうでもよかった。
あの男がどうなろうと。
でも、
沖田さんに知られてしまえば、もう、
私は、彼に会えない。
こんな、罪を背負った私は、
あんなに『綺麗』な彼の隣にはいられない。
息が苦しい。
足が痛い。
胸が、心が、苦しい………
ぽつり
ぽつり………
降ってきた、大量の雫。
それに隠れるように私は、自分の苦しみを吐き出した。