タイガーハート
「ちょ!おい!!」
仰け反ったが、負けじと水道を出し、伏見に反撃する。
『はぁ!?普通やり返す!?』
伏見は面食らったように叫ぶ。
「お前は普通じゃねえ!」
水滴が太陽に照らされてキラキラと宝石が舞っているように美しい。
二人の間に色とりどりの架け橋がかかる。
『見て小虎!!虹だよ!!』
ずっと何かが腑に落ちなかった。
けれど、それが確信に変わる。
蛇口から手を離して、彼女をまっすぐ見据える。
「ガサツ女!」
『なんだよ!また悪口かよ!』
伏見が、びしょ濡れの笑顔で叫ぶ。
「俺はお前の事が…」
そう、俺は。伏見のことが、
「好きだ」