タイガーハート

『はぁ!?
それどういう「困るから」

再びノートへ視線を落とすと、被せ気味に言う。

「他の男に取られたら困るし」


伏見は押し黙る。
『小虎ってそういう事ナチュラルに言うよねぇ…』

「なに、駄目なの?」

『駄目っていうか、意外?』


そういうと伏見は単語帳を手に取り、パラパラとめくり始める。
それに合わせて、視線を上げる。

心なしか、伏見の顔が赤い。
喉から笑いが漏れる。


どっちが意外なんだか。

「伏見って、壁ドンとか好きなタイプ?」


『は、はぁ!?別にされたくないし!』
あからさまな反応に、驚く。


「意外に乙女なんですね」

単語帳を取り返すと、再びノートへシャープペンシルを滑らせる。

目の前には、顔を真っ赤にして、否定の言葉を並べる伏見。

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