タイガーハート
準備が終わる頃、校内アナウンスが入る。
《ベストカップルコンテスト出場者は15時までに、
体育館裏入り口まで集合をお願い致します》
それを合図にクラス中から声援が巻き起こった。
『頑張れよっ!』
『投票するから!』
その声援に答える度、罪悪感が鉛のように心に積もっていく。
皆の笑顔の中に、心配そうにこちらを見る隼人の顔がある。
隼人にだけわかるように、小さくうなづく。
俺は、大丈夫。
やり遂げる決意を固めると、教室を後にした。
全て終わったら、ちゃんとケリをつけよう。
この文化祭の間だけでもいい。
もう少しだけ、伏見のそばに。