タイガーハート
通じ合う心
「伏見!!」
走る背中に追いつき、腕を掴むとお互いが徐々に立ち止まる。
薄暗い廊下の真ん中。
掴んだ腕を引き寄せると、受動的に振り返る。
伏見は泣いている。
『ふぅ…っ、わかってる!
わかってるよ…っ
信じられなかった、あたしが…っ』
伏見を見つめ、言葉を待つ。
『ごめん…なさ…っ
ごめんね、ことら…っ』
我慢しきれず、伏見を腕の中に閉じ込める。
「違う、悪いのは俺だ…」
腕の中で泣きじゃくる伏見。
しばらくそのまま、伏見を抱きしめていた。