タイガーハート


それを合図に伏見を壁際に追いやる。
「伏見、」
『ふわぁ!』

伏見の背中が壁に触れると体を離す。
両手で伏見を閉じ込めたまま、見下ろす。


「…これ、好きなんだろ?」
『へ…?』

間抜けな声を出す伏見の口を自分のそれで塞ぐ。


口を離すと、ふわっと伏見が息を吐く。
そんな彼女も愛おしくて、頬にキスを落とす。
『な、んか…っ、小虎、慣れてる…っ』

「んなわけない。

初めてだ…」

つぶやくと、また唇を重ねる。


『ん…っ』
シャツの胸元を掴んだ伏見の口から声が漏れる。

< 70 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop