タイガーハート
それを合図に伏見を壁際に追いやる。
「伏見、」
『ふわぁ!』
伏見の背中が壁に触れると体を離す。
両手で伏見を閉じ込めたまま、見下ろす。
「…これ、好きなんだろ?」
『へ…?』
間抜けな声を出す伏見の口を自分のそれで塞ぐ。
口を離すと、ふわっと伏見が息を吐く。
そんな彼女も愛おしくて、頬にキスを落とす。
『な、んか…っ、小虎、慣れてる…っ』
「んなわけない。
初めてだ…」
つぶやくと、また唇を重ねる。
『ん…っ』
シャツの胸元を掴んだ伏見の口から声が漏れる。