タイガーハート
脳が痺れる感覚に襲われる。
壁についた手を伏見の後頭部へ回すと、もっと近くへ引き寄せた。
吐かれる吐息まで食べるように求める。
手を後頭部から首筋へ滑らすと、びくっと体を震わせ反応をする。
名残惜しげに口を離す。
涙ぐんだ目でこちらを見つめる。
『小虎…、あたしで、いいの…っ?』
「まだわかんない?」
至近距離で見つめ返す。
「こんなにお前しか見えないのに」
伏見のおでこにキスを落とす。
じっとこちらを見つめた後、真っ赤な顔で目を伏せる。
『小虎ってやっぱり、こんな時でもナチュラルだよねぇ…』
「ナチュラルなわけねぇだろ。
結構…緊張してる」
そう告げると、伏見は目を丸くしてこちらを覗き込む。
『…一緒だ』
そうつぶやくと、ふっと笑う。
その笑顔は、やっぱり太陽みたいで、心が温かくなる。
「伏見、俺ともう一度、
付き合って。」
真剣な眼差しをこちらへ向けたあと、
目に涙を浮かべた。
『もちろん…っ』
伏見の腕が首に回る。
『もう一度…、好きって言って』
彼女を抱きとめながら告げる。
「お前が望むなら、
何だってしてやる」