俺様御曹司の悩殺プロポーズ
こんな風に、お天気や花粉情報を主に伝えるのは私で、
雨雲君は、私が振ったことについてのみ答えるというやり方に変えていた。
まだまだ、過緊張状態になってしまう雨雲君だけど、
このやり方にしてから、何とか生放送に堪えられる中継となっている。
「今日も元気にお出かけ下さい。
以上、桜テレビ前から中継でした!」
カメラがスタジオに帰ると、ディレクターが私と雨雲君にOKサインを出してくれた。
「日野さん、今日はとても良かったよ。
日に日に、上手くなるな〜。
明日もよろしく」
「はい!
ありがとうございます!」
褒められて、デヘヘと照れる私。
寝不足で疲れていても、自分の成長を感じる時は嬉しいものだ。
風原さんの厳しいレッスンが身になっているのも、嬉しい。
喜んだところで、あれ?と思う。
もしかして、こうしてスタッフさんに褒めてもらえるのは、風原さんのお陰とか……?
きっとそうなのだろう。
でも、それに気付いたところで、素直に感謝するのは、何か嫌。
彼にとっての私は、おもちゃであり、ストレス解消の道具。
だから、感謝の気持ちは、5割引きに留めておこうと思う。