俺様御曹司の悩殺プロポーズ
「余計な話、してんじゃねぇよ……」
風原さんはドッカと椅子に腰を下ろして、不満顔。
「いいだろ、言ったって。
涼が連れて来た子なんだからさ」
玉葱擦るのをやめて開き直った立花さんに、
風原さんの舌打ちが聞こえた――。
それから10分ほどして、私の涙は無事に止まった。
「今日はご馳走さまでした!」
立花さんにお礼を言って、席を立つ。
ああ、今日はいい日だったなぁ〜。
素敵な話も聞けたし、美味しい料理をお腹一杯食べられたし!
いい気分のまま、「さぁ帰ろ」と歩き出した私だが、
なぜか席を立とうとしない風原さんに、
「どこへ行く気だ?」
と呼び止められた。
どこって……食べ終わったから、後は帰るだけでしょ?
そう思った私は、やっぱりマヌケ。
いつの間にか、厳しい指導者の顔になっている風原さんに、
本来の目的を思い出させてもらった。
「食レポの特訓を始めるぞ。
良行、オムライス一つ作ってくれ」
「え……」