俺様御曹司の悩殺プロポーズ
途中休憩をはさんで、4時間もの長い収録がやっと終わった。
あの後もいじられまくり、12ラウンドを戦ったボクサーみたいに満身創痍の私は、
ふらつきながらスタジオを出る。
控え室に向け、長い廊下を歩いていると、
頭からリンゴを外した青森の女子アナさんが、私の横に並んだ。
「日野さん、大丈夫ですよ。
毛糸のパンツでも一応パンツだから、あの部分はカットされて、オンエアされないと思いますよ?」
「本当に……?
絶対使われないと、そう思いますか?」
慰めてくれる彼女に、不安の消えない顔のまま聞き返すと、
彼女の目が泳いだ。
「えーと、絶対とは言えないけど……。
きっと?多分?
もしかしたら?ひょっとすると……?」
オンエアされない可能性が、下がっているじゃないか……。
そんな話をしていると、コツコツと足早なヒールの音が後ろから近づいてきて、
誰かが私の肩にぶつかった。