俺様御曹司の悩殺プロポーズ
そんなことを言われたら嬉しくて、恐れずに色んな料理にチャレンジしたくなった。
今ではレシピを見ながらなら、それなりの物が作れるまでに上達した。
今日のメニューは和食。
肉じゃがと鯖の味噌煮と、お味噌汁。
風原さんは17時頃帰宅すると言っていたから、それまでに作っておこうと思う。
お鍋がコトコト音を立て、キッチンに美味しい香りが立ち込める。
お玉を持った私が、
「彼女を通り越して、新妻気分……」
そんな風に一人デヘッと照れた時、玄関の方で物音がして、風原さんが帰ってきた。
「お帰りなさい!」
「ただいま。いい匂いだな。
腹が減っているから、すぐに食べたい」
「はい! ちょうど出来たところです」
そんな会話をして、二人で向かい合い、ちょっと早目の夕食を食べる。
風原さんの食べ方は綺麗だ。
箸の持ち方も、魚の小骨の取り方も美しい。
そう言えば彼は、官僚一族の御曹司だったっけと思い出す。
実家については、触れたら嫌そうな顔をされるから、聞けないけど。