俺様御曹司の悩殺プロポーズ
 


そんなことを言われたら嬉しくて、恐れずに色んな料理にチャレンジしたくなった。


今ではレシピを見ながらなら、それなりの物が作れるまでに上達した。



今日のメニューは和食。

肉じゃがと鯖の味噌煮と、お味噌汁。


風原さんは17時頃帰宅すると言っていたから、それまでに作っておこうと思う。



お鍋がコトコト音を立て、キッチンに美味しい香りが立ち込める。


お玉を持った私が、

「彼女を通り越して、新妻気分……」

そんな風に一人デヘッと照れた時、玄関の方で物音がして、風原さんが帰ってきた。



「お帰りなさい!」



「ただいま。いい匂いだな。
腹が減っているから、すぐに食べたい」



「はい! ちょうど出来たところです」



そんな会話をして、二人で向かい合い、ちょっと早目の夕食を食べる。



風原さんの食べ方は綺麗だ。

箸の持ち方も、魚の小骨の取り方も美しい。



そう言えば彼は、官僚一族の御曹司だったっけと思い出す。

実家については、触れたら嫌そうな顔をされるから、聞けないけど。



< 285 / 452 >

この作品をシェア

pagetop