俺様御曹司の悩殺プロポーズ
 


ダイニングテーブルから、テレビ画面の中の佐川さんを見て、

ただただ、感心して憧れた。



佐川さんのレベルになれば、風原さんの横に並ぶことができる。


モーニング・ウインドの彼の横で、二人でニュースを読み合うこともできるかも……。



そんな淡い期待を抱き、すぐに無理だと諦めた。



東京にいられるのは、後5ヶ月ほどだもの。

そんな短い期間で佐川さんに追いつくなんて、どう頑張っても無理。


でも……私も、風原さんの隣に立ちたいな……。



夕方ニュースを読む、凛とした佐川さんを見ながら、私はそんなことを考えていたけれど、

風原さんは別のことを考えていたみたい。



リモコンをテーブルに置いて、ソファーに腰を下ろした彼は、こう呟いた。



「佐川は、俺よりハードスケジュールだよな……。

昨日は局に泊まったようだし、寝る時間があるのか……」



< 289 / 452 >

この作品をシェア

pagetop