俺様御曹司の悩殺プロポーズ
憧れの人が目の前にいて、私なんかに話し掛けてくれるのに、ちっとも喜べなかった。
ああ、牛子さん……
あんたを恨みます!
どんより落ち込みうなだれる私の手を、風原涼が握った。
「北海道放送局の日野小春。
お前、面白いヤツだな。
楽しませてくれたお礼に、これをくれてやる」
私の手の中に、何か柔らかい布製の物が握らされた。
これは何だろうと、両端を指でつまみ、目の前で広げてみると……
パンティだった。
レースで縁取られたピンクのパンティ。
バッグプリントには、桜テレビ本社の公式キャラクター“うららちゃん”。
擬人化された桜の花の可愛らしいキャラクターが、
パンティの布地から私に向けて、ニッコリ微笑んでいた。
あの風原涼が、私にパンティを……。
口をパッカン開けて、言葉が出ないほど驚く私に、
いい声の吹き出し笑いが降ってきた。