俺様御曹司の悩殺プロポーズ
「わかりました……」
そう答えるしかなかった。
距離を置く理由は納得いくもので、私との関係を大事にしてくれるからこそ、今は離れる必要があるのだと理解した。
でも……。
心は正直に淋しいと訴えていた。
このまま自然消滅する可能性もあるんじゃないかと、不安も沸いてくる。
離れている期間で、風原さんの心まで離れてしまったら……。
不安で心が揺れていた。
それが伝わったのか、背中に回されていた腕に力がこもり、強く抱きしめてくれた。
「小春、大丈夫だ。俺の気持ちは変わらない。
いつか、お前と……」
耳元にゾクリとするような色のある声を聞いても、不安の方が勝りハウンとならなかった。
密着する体が少し離され、唇が重なる。
このキスも、しばらくお預け。
風原さんの周囲から記者の影が消えるまでは、キスもできない毎日が続く。
腰を引き寄せられ、濃く深く口づけた。
いつも以上に丁寧に私を味わう、彼。
風原さんも、淋しいと思ってくれるのかな……。
そうだったら、いいな……。