俺様御曹司の悩殺プロポーズ
そっか……。
寝室に入ってからやけに素っ気なかったのは、我慢していたからなのか。
本当は私を抱きたいと思ってくれていたんだ……良かった……。
ホッとした後は、おかしさが込み上げてきた。
人気No.1アナウンサーで、美人な彼女がたくさんいてもおかしくない風原さんが、私なんかに我慢しているなんて。
プッと吹き出して笑ってしまうと、今度は彼を怒らせてしまった。
「俺の我慢と努力を笑うとは、いい度胸だ。
覚悟はできているのだろうな?」
「え? 覚悟? ……あっ!」
髪を掻き分けられ、耳をあらわにされた。
耳たぶを甘噛みされて、耳介を温かい舌先がなぞる。
風原さんの熱い息遣いが直に聞こえて、ゾクゾクと肌が粟立った。
「風原さん! だ、だめです!
私、耳は……あっ、ああっ‼︎」
「耳は、何だって? はっきり言えよ。耳は感じてしまうから、もっとやってと。
この声が好きなんだろ?
こうして耳に口をつけて、お前の名前を朝まで囁いてやろうか?」
甘く艶めいたフェロモンボイスで、名前を呼ばれた。
「小春……」
耳から入り込む甘美な刺激が、体も心も震わせる。
「小春……」
二度目はより一層、色を含めて囁かれ、
子宮の奥が熱く疼いて、我慢できずに口から甘い吐息を漏らしてしまった。
「は……ああっ……」
「 小春、お前が可愛くてたまらない……。
もっと感じろよ……俺の声を……」
三度目に名前を呼ばれた時には、頭が真っ白になってしまった。
彼の声が快感となって身体中を駆け巡り、意識が急速に遠のいていく。
「はっ……うん……」
フェロモンボイスの攻撃力は凄まじい。
風原さんの腕に抱きしめられて、耳元で囁かれながら、
久々にハウンとなってしまった私は、夢の世界に旅立った。
ーーーー……