俺様御曹司の悩殺プロポーズ
着替えの後は、メイク室に入る。
そこは立派な美容室みたいな空間で、
北海道放送局の、楽屋に鏡と椅子を置いただけというメイク室とは違っていた。
さすが、東京本社という感じ。
椅子と鏡が10個ずつある広い空間だけど、早朝のこの時間に出勤しているメイクさんは一人だけで、
現在ヘアメイク中なのも、風原さん一人だけだった。
「あのー、モーニング・ウインドに出る日野です。
メイクお願いします」
そう言って入って行くと、メイクさんがテンション高めに迎え入れてくれた。
「あっら〜!あなたが涼ちゃんお気に入りの、小春ちゃんね?
待ってたわ〜。
涼ちゃんの隣に座って?
あたしが、とびっきり可愛くしてあげる。うふふっ!」
涼ちゃん……?
お気に入り……?
幾つか引っ掛かる単語があったけれど、それよりももっと引っ掛かるポイントがあり、戸惑っていた。