俺様御曹司の悩殺プロポーズ
 


オネェさんの言う意味がわからない私と、

ますます不機嫌になる風原さん。



風原さんは低い声で、こう言った。



「花山田 大五郎、俺の担当から外されたくなければ、黙って仕事しろ」



「ふ……フルネームで呼ばないでって、言ってるでしょーーっ!!

私は、花ちゃん!

いつになったら、花ちゃんと呼んでくれるのよーーっ!!」




花山田(ハナヤマダ)大五郎。

それが、オネェさんの本名らしい。



パンチの効いた外見にも、乙女な中身にも似合わない名前だ。



どうしよう……笑いたい。

でも、笑ったら絶対に怒られる。

笑っちゃダメ……笑っ……。



「ブフッ!」



堪え切れずに吹き出してしまい、慌てて両手で口を押さえた。



口を押さえて首を横に振り、必死に「笑ってないよ?」アピールをしてみたが、無駄だった。



花山田大五郎さんは私の背後に移動し、男らしい両手の拳で、こめかみをグリグリしてくる。



「小春ちゃんの頭が良くなるように、マッサージしてあげるわね〜ウフフフ」



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