告白作戦っ!
少女マンガチック作戦
私は草壁君に告白できないまま時間だけが過ぎていった。






「いいこと考えたよ」





今は放課後、沙耶ちゃんと野乃葉ちゃんが私の教室に来て言った。





「昨日、お姉ちゃんが持っていた昔のマンガを読んでいたの。そしたら廊下や道でぶつかった人と恋に落ちるシーンがやたらと出てきたんだよ」


「それがどうしたの?」



何となく嫌な予感がするんですけど・・・



「これは使えるなと思って」


「どういうこと?」


「そっか〜。草壁君と柚衣ちゃんが〜ぶつかればいいのか〜」



突然話に入ってきた野乃葉ちゃんが言う。




「そういうこと」


「それは無理だよ。マンガと現実は違うもん」


「いやあ、そうとも限らない。草壁君がこけた柚衣にそっと手をさしのべて、『怪我はないかい?』って言うの」


「そんなうまくいかないよ」



「手と手が触れあい。柚衣のハートは120%に・・・あれ?」


「もしかして恋に落ちるのって女の子の方じゃないの?」


「そう言えばそうだったような・・・」



やっぱりダメじゃん。ちょっとでも期待した私が馬鹿だったわ。

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