告白作戦っ!
「でも、逆も考えられるよ」


「逆?」


「そう、草壁君がこけて柚衣が手を出すの」


「そんなの無理でしょ」


「やってみなきゃ分からないよ」


「だって、草壁君て野球部のショートなんだよ?レギュラーなんだよ?私がいくら強くぶつかってもこけるわけないよ」



何でもショートというのは重要なポジションらしい。




「そうだよね〜」



野乃葉ちゃんは私の方を見て頷く。






「よし、こけなかったときのことも考えておこう」



沙耶ちゃんは腕組みをして教室をうろうろ歩き回る。



「わかった。柚衣が怪我をすればいいんだ!!」


「??そんなの無理だよ??」


「うまくいけばおんぶで保健室に運んでもらえるかも」


「え! ほんと? ・・・じゃなくて都合よく怪我なんてしないって」


「しなくてもいいの」


「え?」


「怪我をした振りをすればOK!」


「・・・そんな草壁君を騙すなんてできないよ」


「それは騙すのは悪いことだよ。でも、ほんの少しだけ目を瞑れば草壁君の背中は柚衣のものなんだよ?」


「え! でも〜、そんな〜」



私は赤くなった顔に手を当てながら言葉にならない声を出した。




「よし、決まり。もし、気がとがめるのなら意地でも草壁君をこかすことだね」

だから、それは無理だって!


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