元姫VS現姫






そう言って、保健室を出た。



靴箱に向かって歩いてると後ろから急に快斗に声をかけられた。



快『どうして、本当のことを言わなかったんだよ。言えばよかったじゃねぇか。』



美『ここじゃあれだし、帰りながら少し話そうか。』



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美『私さ、さっきまで龍兄のこと記憶から欠けてたの。いわゆる、記憶喪失ってやつ。でも、倒れる前に机に頭をぶつけたのがいけなかったのかな?龍兄のこと全部思い出しちゃった。』



快『逆に思い出せてよかったんじゃ…。』



美『周りから見ればそう思うのも当然だよね?家族だもん。でもね。私は、思い出したくもなかった。あんな兄のこと。』



快『どっちにしろ、俺のせいじゃん。』



美『このことは、絶対に誰にも言わないでね。そして、記憶喪失のまま過ごす。』



快『分かった。お前はそれで本当にいいのかよ。』



美『私にあんな言葉を言っておいて、案外快斗っていいやつなのね。』



快『悪かった。』





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