元姫VS現姫
そう言って、保健室を出た。
靴箱に向かって歩いてると後ろから急に快斗に声をかけられた。
快『どうして、本当のことを言わなかったんだよ。言えばよかったじゃねぇか。』
美『ここじゃあれだし、帰りながら少し話そうか。』
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
美『私さ、さっきまで龍兄のこと記憶から欠けてたの。いわゆる、記憶喪失ってやつ。でも、倒れる前に机に頭をぶつけたのがいけなかったのかな?龍兄のこと全部思い出しちゃった。』
快『逆に思い出せてよかったんじゃ…。』
美『周りから見ればそう思うのも当然だよね?家族だもん。でもね。私は、思い出したくもなかった。あんな兄のこと。』
快『どっちにしろ、俺のせいじゃん。』
美『このことは、絶対に誰にも言わないでね。そして、記憶喪失のまま過ごす。』
快『分かった。お前はそれで本当にいいのかよ。』
美『私にあんな言葉を言っておいて、案外快斗っていいやつなのね。』
快『悪かった。』