元姫VS現姫





ーカウントダウン4日目





今日のお迎えもいつも通り車。



でも、この日もまた昨日と同様、一人減ってしまった。



そう、今日は千隼もいない。



車内には、私と快斗と運転手だけ。



もう、寂しいとは思わなくなった。



ただ、『あー、また瑞稀に負けるんだ。』と思うようになった。



瑞稀は、快斗以外の白龍は、こないだまで私が記憶喪失だと言うことは知らないだろう。



私にとって、あの時とはいつなのか…。



記憶喪失が治っていても分からない。



あの時のことを、言われたら咄嗟に何かを言ってしまう。



でも、それは条件反射ってだけで、実際は詳しくは思い出せない。



思い出すのもいや。



そう思ってしまうのは、私の、昔の記憶が酷いものなんだろう…。




今日も何もなく終わった。





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